mystery

 クリスティものがアニメ化されるのはこれが初?

そういえばもうひとつ。NHKアニメの「アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル」を見た。 そりゃまあ熱心なクリスティのファンやすれっからしのミステリーファンが見ればあれやこれや言いたくなるのだろう。ただ、「本格ミステリドラマ」を作るという…

我こそと思う者は

お知らせ自体は少し前から出ていたようだが、東京創元社がミステリ担当の編集部員を募集してますよ(契約社員だけど)。 別にミステリオタクでなくてよいから、文庫化や復刊のスピードが少しでも上げられるよう、バリバリ仕事ができる人が入ってほしいもので…

 やだしよーさく

狂乱西葛西日記(2/25)で、大森望さんが都筑道夫の思い出を書いている。新潮文庫の『泡姫シルビアの華麗な推理』の話が出てきたので、本棚からその原本を持ってくる*1。解説の「矢田省作」氏は「さくしやだよー」のアナグラムであり、実は都筑道夫の筆名の…

漢語翻訳偵探小説事情

中国のどこの町でも必ず何軒か本屋をのぞいた。ちょっとした大きさの本屋ならたいてい「偵探小説」=ミステリーの棚がある。まず目に付くのがホームズ、ルパン、そしてアガサ・クリスティーの全集。ブラウン神父ものもあった。 日本の作家だと、江戸川乱歩の…

めざせミステリ三冠王!ふたたび

賞の話題を聞いて、かなり昔にこのページでネタにした「ミステリ三冠王」のネタを思い出した。 ミステリ作家が関係してくる大きな文学賞となると、江戸川乱歩賞に日本推理作家協会賞、そして直木賞の3つになるだろう。この三賞、プロ野球で言えば新人王・首…

このミスどれだけ読んだかにゃ・本ミスどれだけ読んだかにゃ

まずは結果だけ書いてしまおう。 このミス・読了状況 2003年版 … 2/10冊 3 重力ピエロ 伊坂幸太郎 6 陽気なギャングが地球を回す 伊坂幸太郎 2002年版 … 1/10冊 6 十八の夏 光原百合 2001年版 … 3/10冊 5 超・殺人事件 東野圭吾 7 天狗岬殺人事件 山田風太郎…

 出典だけ示して

9/28の日記(id:tomo-s:20030928#p2)でネタにしたのは、松本清張『随筆 黒い手帖』である。この本は葉山響さんに掲示板で教えていただいて読んだ。それこそ「本格の天敵」と見なされることの多い社会派推理の総本山ともいうべき松本清張が、どのようなミステ…

 「本格vs社会派」図式論ふたたび?

A・Mさんの日記(9/27分)と牧人さんの日記(id:makito:20030927、id:makito:20030928)を読む。 おそらくA・Mさんが読まれたのは私も最近入手した評論だと思う。積ん読の山から取り出して最初の方を中心に目を通してみた。 おそらくこの作者の問題意識は…

旭堂南湖さんの東京公演、「第二回 幻の南湖」に行ってきた。一日遅れでレポート。MYSCON4で南湖さんの上方講談を聞いて、今度は寄席で聞きたいと思っていた。ちょうど東京公演があるという話を聞き、締め切りギリギリにネット予約*1。 台風一過の暑い真っ昼…

 「本格vs社会派」論に補足

一昨日からの「本格vs社会派」をめぐる文章にひとつ補足。今では「社会派の総本山」かのようなとらえ方をされている松本清張だが、清張自身のミステリー観はどういうものだったのだろうか。それは必ずしも謎解きを否定するものではなかったのではないか。 と…

 「本格vs社会派」論を考えるために

昨日の話に続けて、「本格 vs 社会派」という図式について考えてみたい。実際のところは、図式を論じるというよりは、この図式の意味を考えるときに取り組むべき問題を以下で論じている。「社会派」という言葉を「本格」と対になる概念として考える場合、「…

 「本格 vs 社会派」論について

「社会派」の実態についてのアシェさん(6/25および6/27分)とフクさん(6/26分)の文を読んだ。ここから面白い議論になりそうなので今後を楽しみにしているが、その前に一点、小泉喜美子の議論について補足したい。 確かに小泉は“世帯じみて”“日常くさく”“…

 ミステリけつだいら

昨日のトークショーで北村さんが「サイン順番待ちの間に考えておいてください」と言った「けつだいら」(面倒なのでこっちの名前で通す)のお題。誰かあの場で面白いアイデアを伝えた人はいるのだろうか。 私の方はすっかり忘れていたので、ここでやってしま…

行ってまいりました、「『ミステリーズ!』創刊記念・北村薫&有栖川有栖トークショー」。ありがたいことに牧人さんが先にレポートを上げてくれたので、それを元に適宜補いながら書くことにする。牧人さんと待ち合わせて会場へ。前日の大阪は半分ぐらいの入…

「本格ミステリ」の定義についてネット上で話題になっている。 実はMYSCON4で徹夜して語ったときの思いつきを発展させてまとまった文章にしようと思っていたのだが、忙しさにかまけて手を付けずにいた。 そのうちきちんと⋯⋯と思っていると書かずに終わりそう…

ミステリー’zウェブリングリレー企画「クリスマスのミステリー」

ただウェブリングでつながっているだけじゃもったいないんで共同企画をやろうという、ウェブリング主催者アシェさんの発案により始まった今回のリレー企画。お題は「クリスマスのミステリー」ということで、つらつらと考えてみた。 真っ先に頭に思い浮かんだ…

 ミステリ周期表

ちまちまと読み進めていた山村正夫『推理文壇戦後史(I〜III)』(双葉文庫)を読了。「推理小説史」には最近関心があるので興味深く読んだ。 その中で、こんな言及があった。 そういえば、推理文壇には“十年周期説”という面白いジンクスがあるのを、読者は…

 2001年読了ミステリ私的ベスト

今年読んだミステリの中から例によってベスト10を選んでみることにする。 去年(2000年)はオールタイム・ベスト級の名作をガシガシ読みあさっていたが、今年は読んだ本の数が(特に後半に)少なくなったこともあって、去年に比べると「地味」なランクである…