めざせミステリ三冠王!ふたたび

賞の話題を聞いて、かなり昔にこのページでネタにした「ミステリ三冠王」のネタを思い出した。
ミステリ作家が関係してくる大きな文学賞となると、江戸川乱歩賞日本推理作家協会賞、そして直木賞の3つになるだろう。この三賞プロ野球で言えば新人王・首位打者・殿堂入りといったところに相当するだろうか。では、この三賞をすべて取った、いわばミステリ界の三冠王は? ということで以前調べてリストを作ったことがある。今回はそのリストを少し修正して再掲する。なお、間違いや漏れがあったら教えていただきたい。

【乱歩賞/協会賞/直木賞

三冠王」が3人というのは多いのか少ないのか何とも言えない。ただ、3人とも独特の作風をはっきりと持っている作家であり、また「ミステリー」という枠にこだわらない作品を発表している。その辺は特に直木賞を取る上で「必要」なのかもしれない。桐野夏生は先日『OUT』でノミネートされたエドガー賞で「四冠」なるか。

【協会賞/直木賞

今回リストを更新するにあたって手を加えたのはこの部分だけだった。
当然ながらこのラインナップは実力者ぞろい。乱歩賞を取っていないといっても、それは単に他の所からデビューしただけに過ぎない。「EQMM」短編コンテスト(結城昌治)、小説推理新人賞(大沢在昌)、幻影城新人賞(泡坂妻夫連城三紀彦)や、日本推理サスペンス大賞(宮部みゆき高村薫)、オール讀物推理小説新人賞(逢坂剛宮部みゆき)という「凖三冠」も多い。
ちなみに直木賞→協会賞という「逆順」で取ったのは木々高太郎有馬頼義戸板康二のみ。

【協会賞/芥川賞

松本清張芥川賞作家だったのかとちょっと驚いたが、よく考えれば不自然ではない。推理小説を手がけるようになったのは芥川賞受賞後だそうだ。

【乱歩賞/直木賞

ある意味で珍しいパターン。むしろ、「あれ、協会賞取ってなかったっけ?」というイメージが強い。ちなみに『テロリストのパラソル』は、その年の協会賞では候補作にも入らなかった。

【乱歩賞/協会賞】

次の三冠王が出るとすればここからだろう。東野圭吾真保裕一福井晴敏は既に直木賞候補になったことがある。東野圭吾直木賞を取るのは時間の問題だとは思うが、さてどうだろう。
 
横溝賞や鮎川賞、本格ミステリ大賞日本冒険小説協会賞や星雲賞山本周五郎賞など幅を広げて「準三冠」「準二冠」を探すとまた面白そうだが、大変になってくるのでやめておく。