クリスティものがアニメ化されるのはこれが初?

そういえばもうひとつ。NHKアニメの「アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル」を見た。
そりゃまあ熱心なクリスティのファンやすれっからしのミステリーファンが見ればあれやこれや言いたくなるのだろう。ただ、「本格ミステリドラマ」を作るというねらいではなさそうなので、そこにツッコむのは少々筋違いかも。
そこを別にすれば、いかにもNHKのアニメらしい手堅さには好感が持てる。そして、大河ドラマのように「クリスティ紀行」みたいなコーナーをしっかり作っている所に、制作者の気合いもちょっと感じた。この先どうなるかは何とも言えないが期待は持てそう。願わくば「コナン」の読者層をクリスティ文庫の山に引っ張り込んでほしいもの。
ケチをつけるとすれば、里見浩太朗が声をやっているポワロが、黄門様とまではいかないが、どうにも「冷静沈着なお奉行様」をイメージしてしまうこと。ポワロだったらもうちょっとキザでナルシストでエキセントリックじゃないかなあ、と違和感を家覚えた。まあ、いずれ慣れてくるだろうし、むしろこれは意識的に「原作とは別物」としてアニメの方を作っているからなんだろうし、視聴者は視聴者でポワロと言えばTVドラマ版のデビッド・スーシェ(+熊倉一雄の吹き替え)のイメージが強すぎるせいだと思うが。