夏海公司『なれる!SE2』電撃文庫

2巻は開発vs運用という業界定番の構図を持ってきつつ、1巻に比べるとぐっと物語が広がった感じで面白くなってきた。ラノベとして面白い世界観ができあがりそう。3巻は既に手元にあるけど、この先どう持っていくのかな。トラブルシューティングの緊張感と…

夏海公司『なれる!SE』電撃文庫

あああこれは平常心では読めなかったよ……。曲がりなりにもIT関連の業界にいて、しかも主人公の桜坂くんと似たような経験のある私にとっては、「お話の世界」と割り切れない妙にリアルな本だった……。 しかしこれ、特にIT系に関わりのない一般の読者さんから見…

今尾恵介『消えた駅名 駅名改称の裏に隠された謎と秘密』講談社+α文庫

こう言った本は、自分の身近な駅とか行ったことのある駅の変遷を追いかけて読むだけでも、いろいろ発見があって楽しい。ちなみに私は「聖蹟桜ヶ丘」の由来を初めてちゃんと知った。

松波成行・牛山隆信『酷道vs秘境駅』イカロス出版

非常にマニアックな対談なのだが、一方で「視野の狭さ」を感じさせないのは、安易な「廃線反対」「高速建設反対」論を採っていないこと。お二人とも道路なり鉄道の「歴史」からもアプローチしているからか、酷道も秘境駅も社会の仕組みの中で成立しているこ…

図子慧『晩夏』創元推理文庫

「レーベル買い」してそのままになっていたのを読んでみたのだが、おお、これは実に端正なミステリ。どこか透明感のある世界の中で、謎と感情の綾が重なり合って、非常に私好み。 創元の国内もので、特に何の脈絡も無くひょいっと復刊文庫化されるものはなか…

ミステリー文学資料館(編)『江戸川乱歩に愛をこめて』光文社文庫 中村明日美子『鉄道少女漫画』白泉社 ほあしかのこ『新・鉄子の旅(2)』小学館IKKI COMIX 毎度買っている、ミステリー文学資料館の傑作選と、女性作家の鉄道マンガ(しかし方向性は真逆)…

天久聖一『こどもの発想。「コロコロバカデミー」ベストセレクション』アスペクト

わはははは。これ、大喜利的な「うまい!」回答を楽しむというよりも、万国共通永久不変の「ガキんちょ脳」を笑いつつ懐かしむ本ですな。 男子という奴には、中二病的邪気眼を発動させたり脳みそがエロまみれの時代の前にあたる、ちょうど小学校高学年ぐらい…

 もっぱらbk1

西原理恵子・佐藤優『週刊とりあたまニュース 最強コンビ結成!編』新潮社 久米原栄・三上信男『ネットワーク超入門講座 セキュリティ編』ソフトバンククリエイティブ 小浜耕己『基礎から学ぶプロマネ技術 必携マニュアル』日経BP社 アイテック情報技術教育…

もうひとつの「ネットミステリ界」の昔話。

ミステリサイト興亡記 - Togetterとミステリサイト興亡記 その2 - Togetterを見ていて、Twitter上につらつらと書いた昔話を、せっかくだからこちらにも残してみる。それは、「ミステリー’z ML」のこと。時は前世紀、1999年3月にひで(@hid_nya)さんがミステ…

今尾恵介『消えた駅名 駅名改称の裏に隠された謎と秘密』講談社+α文庫 マネジメント研究会(監修)『ITIL V3 試験対策問題全280問』トリフォリオ 1のような鉄道史というあたりは何となく気になる今日この頃。2はお勉強用。ちゃんとやらなきゃ。

西原理恵子『できるかな クアトロ』角川文庫

いややっぱりこれでこそサイバラだよ。映画化とかもあったので、泣ける方のサイバラに注目が集まっていた感はあるけど、丸く収まる気配がまるでないのが頼もしい。といいつつ、途中でふっと泣ける回想やエピソードを入れてくるのが卑怯(いい意味で)。

中田亨『「事務ミス」をナメるな!』光文社新書

ヒューマンエラーの解決はどうしても「よく注意する」というだけで終わってしまう所、この本はそこから一歩踏み込んだ仕掛けの工夫が紹介されて、参考になる。プロセスを見直す時のチェックリストとして使うのが一番有効かと思われる。

桜庭一樹『GOSICKs III ゴシックエス・秋の花の思い出 (角川文庫)』角川文庫

短編集。歴史物安楽椅子探偵の趣向がいい。このシリーズ、魔法とかのファンタジーの世界に行くかと見せて、科学的な解決でリアルに引き戻し、しかしファンタジーとおぼしき事象を伏線で残すという感じで、「いったいここは非科学がアリなファンタジー世界な…

天久聖一『こどもの発想。「コロコロバカデミー」ベストセレクション』アスペクト 松波成行・牛山隆信『酷道vs秘境駅』イカロス出版 夏海公司『なれる!SE』電撃文庫 夏海公司『なれる!SE2』電撃文庫 夏海公司『なれる!SE3』電撃文庫 久納信之『ITIL V3…

伊東乾『指揮者の仕事術』光文社新書

観衆に最高の音楽を届けるために指揮者が使うありとあらゆる手段を紹介している一冊。この「ありとあらゆる手段」を、科学の眼からも切り取っている所が非常に興味深い。「のだめカンタービレ」でも指揮者の大変さがいろいろ書かれているけど、実際はさらに…

桜庭一樹『GOSICKs III ゴシックエス・秋の花の思い出 (角川文庫)』角川文庫 GOSICKのシリーズは角川文庫での再刊をずっと追っかけているが、面白い。そういえば現在放映中のアニメはまだチェックできていないが、どうだろう。

八幡紕芦史『仮説力を鍛える』ソフトバンク新書

こういう本は、最初に読むとえらく当たり前で常識的なことしか書いていないように思えるのだが、いざ難題にぶち当たった時に読み返すと、自分の思考や進め方のどこがまずいのか、結構クリアにさせてくれるものなのだと思う。 その意味では、前半の「いかに問…

北森鴻『ちあき電脳探偵社』PHP文芸文庫

基本的にはジュブナイルなので、トリックとか題材もそれなりだし、現実離れした設定なんてのもある。だが、ひとつひとつの小道具の使い方がうまいなあ、と思わせるし、簡単とはいえ推理がちゃんとロジカルなのが心地いい。うまい。 気になったのが設定。主人…

北森鴻『ちあき電脳探偵社』PHP文芸文庫 伊東乾『指揮者の仕事術』光文社新書 中田亨『「事務ミス」をナメるな!』光文社新書 1.はすぐ読んだので感想を後述。2は「指揮者」というお仕事の(プラクティカルな)内幕ということで、なかなか面白そう。3は仕事…

内田和成『論点思考』東洋経済新報社

問題に対して網羅的にしらみつぶしに分析するのではなく、先に答えを想定する=仮説を立てて分析を進めるという「仮説思考」は、コンサルならずとも定番の思考術だろう。ただ、実は「仮説通りに分析して、真逆の結果が出たとしても、仮説の修正によってそれ…

仁木悦子『林の中の家 仁木兄妹の事件簿』ポプラ社文庫ピュアフル ポプラ社文庫ピュアフルからの復刊はこれで3冊目。嬉しいことには変わりのないのだが、このレーベルの本来の読者層である中高生層にどれだけ受け入れられているのか、ちょっと気になる。

原武史『「鉄学」概論 車窓から眺める日本近現代史』新潮文庫

ひとつひとつは面白いトピックなのだが、掘り下げがちょっと足りない印象。でも、「鉄道の社会史」は、単なる鉄道マニアの余技ではなく、文学なり社会学なり歴史学なり経済学からちゃんとした議論をしてもいいと思うのだけど。

日本推理作家協会(編著)『ミステリーの書き方』幻冬舎

ボリュームはあるがなかなか面白い本だった。書き方のハウツーというよりは、「あ、こういうことを考えて、作家さんはミステリを書いているんだね」という、楽屋裏をのぞく面白さがあった。雑誌連載&企画開始当初から間があるせいか、アンケートに答えてい…

北村薫・宮部みゆき『とっておき名短編』ちくま文庫 北村薫・宮部みゆき『名短編ほりだしもの』ちくま文庫 半七捕物帳選集も含めると、北村・ミヤベ短編セレクション第5・6弾。

万城目学『鴨川ホルモー』角川文庫

最近森見登美彦氏にハマっているので、京都つながりで何か気になっていて読んだ。うーん、『鹿男あをによし』に進むべきか。

あさのますみ『ウルは空色魔女(3) 贈りものは魔法パフェ!』角川つばさ文庫

なんでこんな子ども向けの本を読んでいるかといえば、わたしがアニスパリスナーだから(分かる人だけ分かってください)。ラジオの浅野さん(いわゆる「黒浅野」)を知っているとまた違う意味で面白い。いや、そういう色眼鏡抜きでも、いいお話だと思うので…

マイケル・サンデル『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上)』早川書房 マイケル・サンデル『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(下)』早川書房 新年にちょっと見た「ハーバード白熱教室」の再放送につられて買う。こういう議論は大好き。で…

あけまして

おめでとうございます。 プロフィール後半戦は結局書かないままになりつつ、いずれきちんと描きますよと予告しつつ、せっかくブログを再開したわけだし、新刊購入記録と読了記録だけを復活させてみようと思う。 年末にバカスカと本を買ってはいるが、その辺…

【もはや新作は読めないけれど】

仁木悦子 ここ何年かはぽつぽつ復刊があったりして、途切れずに本が出ているけど、新しい読者は広がっているのだろうか。ブックオフの100円棚からもだんだん消えつつからなあ……。 私的この一冊:『粘土の犬』(講談社文庫) 実は、「もったいなくてまだ読め…

【新刊が出たら必ず買います】

加納朋子 うわあ、加納さんはすっかりご無沙汰になってしまったなあ。新刊の最後はミステリーランドの『ぐるぐる猿と歌う鳥』だったか。『少年少女飛行倶楽部』も『七人の敵がいる』もスルーしているんだよな。 ただ、加納さんの本は、初読の時にぴんとこな…