八幡紕芦史『仮説力を鍛える』ソフトバンク新書

こういう本は、最初に読むとえらく当たり前で常識的なことしか書いていないように思えるのだが、いざ難題にぶち当たった時に読み返すと、自分の思考や進め方のどこがまずいのか、結構クリアにさせてくれるものなのだと思う。
その意味では、前半の「いかに問題の焦点を絞り込み、そこに的確に仮説を立て、調査設計をするか」というところは気づきがあった。
一方で、後半の「調査設計をして情報を集め、仮説の検証をいかにするか」というのが、なんか妙にトントン拍子に進んでしまうのが気になる。「仮説思考」というものに対して不安を覚える人の大半は、「仮説とはいえ、調べてみたらそれが間違っていたことが分かったらどうリカバリするのか」という所が不安なのだと思うのだけども。