桜庭一樹『GOSICKs III ゴシックエス・秋の花の思い出 (角川文庫)』角川文庫

短編集。歴史物安楽椅子探偵の趣向がいい。このシリーズ、魔法とかのファンタジーの世界に行くかと見せて、科学的な解決でリアルに引き戻し、しかしファンタジーとおぼしき事象を伏線で残すという感じで、「いったいここは非科学がアリなファンタジー世界なのか、それとも実はファンタジー無しのリアルな世界なのか?」という感覚のさじ加減がうまい。