2000-12-30から1日間の記事一覧

 はやみねかおる『ギヤマン壺の謎』『徳利長屋の怪』講談社青い鳥文庫

続いて、シリーズ番外編・大江戸編の紹介。今回は「夢水清志郎左右衛門」として、幕末の江戸に登場する。亜衣・真衣・美衣は回船問屋の娘、レーチは岡っ引見習い、真里さんはかわら版屋としてそれぞれ登場する。 舞台が花のお江戸に移っても、怪盗やら移動す…

 はやみねかおる『機巧館のかぞえ唄』講談社青い鳥文庫

そして第6作。老推理作家・平井龍太郎の住む洋館・機巧館。そこで開かれたパーティーに三姉妹は出ることになるのだが、パーティーの最中にホストである龍太郎が姿を消してしまう…。 個人的には、主な読者が小学生ぐらいの子供である本でメタミステリを書いて…

 はやみねかおる『踊る夜光怪人』講談社青い鳥文庫

続いて第5作。近所の桜林公園に、全身が光り輝き頭が取れるという「夜光怪人」が出没するという噂が広まる。三姉妹はさっそく公園に張り込み、光る「夜光怪人」をその目で確かめた。その頃、亜衣とレーチは、後輩の水野千秋から、お寺の住職をしている彼女の…

 はやみねかおる『亡霊(ゴースト)は夜歩く』講談社青い鳥文庫

連続はやみねかおるレビューはまず第2作から。亜衣・真衣・美衣の姉妹が通う虹北学園は間もなく文化祭。学校全体が慌ただしい雰囲気になる中、学校に伝わる四つの伝説をなぞるかのような事件が次々と起こる。 大ネタ小ネタ、いろいろなトリックが盛りだくさ…

 西原理恵子『まあじゃんほうろうき』(上・下)竹書房文庫

サイバラりえぞお大先生の出世作。 ある売れないイラストレーターがひょんなことからマージャンの世界に引きずり込まれ、家が建つほどのお金を吸い上げられながら、自分がカモにできるマージャン相手を見つけるなどして、いまだに卓を囲んでいるという怒濤の…

 小泉喜美子『時の過ぎゆくままに』講談社文庫

最後は、絶筆「友を選ばば」を含む、1986年刊の遺作短編集。 『男は夢の中で死ね』(光文社文庫)とは刊行年が一年しか違わないのだが、『男は〜』が1970年代後半の作品が中心なのに対し、この本は急逝直前の1980年代の作品が中心である。 実は、この1冊だ…

 小泉喜美子『男は夢の中で死ね』光文社文庫

今度は1985年刊行の「都会ミステリー」と銘打たれた短編集。基本はやはりハードボイルドタッチの都会派小説だが、ときおりSFっぽい作品が顔を出したりとバラエティに富んでいる。この文庫の解説はまだ肩書きが「ミステリー評論家」の山口雅也である。しかし…

 小泉喜美子『女は帯も謎もとく』トクマノベルス

続いて1982年刊のこの作品。ミステリマニアの新橋芸者・まり勇が、持ち前の好奇心からさまざまな事件に首を突っ込む連作短編集。 魚河岸・築地本願寺・歌舞伎座・新橋演舞場といった、作者のホームグラウンドである築地の風物、芸者の世界、そして歌舞伎や日…

 小泉喜美子『暗いクラブで逢おう』徳間文庫

今回は小泉喜美子短編集一斉レビュー。年代順に行く。 まずは1976年刊の第1短編集であるこの本から。全編ハードボイルドタッチの味わい深い作品である。最初の2編「日曜日は天国」「暗いクラブで逢おう」で男性を主人公としたハードボイルド風の作品を書い…