2000-12-28から1日間の記事一覧

 加納朋子『螺旋階段のアリス』文藝春秋

サラリーマンから一転、私立探偵事務所を開いた仁木順平。開業三日目にしてその事務所を初めて訪れたのは、市村安梨沙という少女であった。彼女はなぜか押しかけ助手として仁木の事務所に「勤務」するようになり、ぽつぽつと持ち込まれる依頼を二人で解決し…

 西澤保彦『なつこ、孤島に囚われ』祥伝社文庫

官能百合小説作家・森奈津子は、見知らぬ女に一服盛られて意識を失い、目覚めてみると無人島にたった一人で取り残されていた。しかし海はきれいだし冷蔵庫のカニは食べ放題、監禁されたはずなのに実に快適な生活。そんな孤島生活をエンジョイしていた奈津子…

 紀田順一郎『古本街の殺人』『古本収集十番勝負』創元推理文庫

愛書家グループ「黎明の会」の面々は、メンバーで古書店主の清水の店で古本談義に興じていたが、その隣の部屋で、古書店主で清水の店の入るビルの大家でもある小場瀬が死んでいた。折しも地上げの問題なども絡んでおり、「黎明の会」のメンバーにも嫌疑がか…

 小泉喜美子『血の季節』文春文庫

精神鑑定の再鑑定を受けることとなった、幼女殺害事件の死刑囚。彼が鑑定医の前で語りだしたのは、戦前東京にあったとある洋館と、そこに住む青い目の兄妹の話であった…。 オルツィの『紅はこべ』をもからませつつ、戦前そして現代の日本に吸血鬼伝説を展開…

 芦原すなお『ミミズクとオリーブ』創元推理文庫

作家の「ぼく」は八王子からバスで20分ほど山の方に入ったところに住んでいる。原稿の締め切りにいつも追いまくられている「ぼく」の妻には、特技が二つある。一つは手料理、もう一つは推理。「ぼく」の同級生で刑事をしている河田が持ち込んでくる事件の数…