2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

鯨統一郎『新・日本の七不思議』創元推理文庫

うーん、鯨作品は、突拍子もない回答を平然と押し付けてくる強引っぷりが醍醐味なのに、結論が変に中途半端でどうにも押しが弱くモヤモヤした感じが残る。そうなると、この人の欠点である「会話文や状況描写が味気ない」という面が鼻につき、どうにもしんど…

伊藤計劃『虐殺器官』ハヤカワ文庫

評判の作品を今ごろになって読む。タイトル通りの描写はあるが、「首を切られた死体」ぐらいのワードは気にせず読めるミステリ読みならたぶん問題ないレベル。 設定は確かにSFなのだが、それがいろいろな固有名詞と巧みに組み合わされ、「これはどこかで起こ…

宮脇俊三『失われた鉄道を求めて(新装版)』文春文庫

ああしまった、これは旧版で読んでたわ。道中での出来事を淡々と綴っていて、誰でも書けそうな文章ではあるんだが、それでもよくある鉄道紀行と一線を画すのはどの部分なんだろう。起こった出来事を何でもかんでも書かずに、絞り込んで選ぶそのセンスなのか…

北森鴻『香菜里屋を知っていますか』講談社文庫

核になるネタは実にささやかなものだけど、これを人情味あふれる物語に仕立て上げる技。一言で言ってしまえば簡単なんだけど、この味付けの仕方は何度読んでも素晴らしい。キャラの動かし方が巧みということなのかなあ。空腹感を誘うこの香菜里屋シリーズ、…

鮎川哲也『アリバイ崩し』光文社文庫 有川浩『図書館危機』角川文庫 上野千鶴子『不惑のフェミニズム』岩波現代文庫 上野千鶴子・信田さよ子『結婚帝国』河出文庫 P・G・ウッドハウス(岩永正勝・小山太一編訳)『ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻』文春文庫 …

だいぶ溜め込んでしまったなあ。

宮武外骨『明治奇聞』河出文庫

宮武外骨の諸著作の中から、明治期の流行や風俗について論じたエッセイを集めたものなのだが、たまたま手に取って驚いたのが、関東大震災のもろもろに関する記録の項。当時流れたデマなど、つい最近の東日本大震災に絡んで見聞きしたものと重なるところが多…

仁木悦子『林の中の家 仁木兄妹の事件簿』ポプラ社文庫ピュアフル

厳密には再読。非常に込み入った推理が展開され、雄太郎と悦子の兄妹が進めていく捜査の過程もなかなか複雑なのだが、これを読み進めることが苦にならない驚きのリーダビリティ。手がかりや伏線も、一つ一つは派手ではないけれども、ちょっとした盲点をうま…

有川浩『図書館戦争』『図書館内乱』角川文庫

評判はかねてから聞いていたが手に取るチャンスのなかったシリーズを、文庫化を機に読む。おお、今さらではあるが、これは大当たり。 とんでもない設定だけど、その中で自由自在にキャラクターが動き回っている、無条件で楽しいエンタテイメント。特にセリフ…

有川浩『阪急電車』幻冬舎文庫 春日旬(原作:結城浩)『数学ガール フェルマーの最終定理(1)』MFコミックス 仁木悦子(若竹七海編)『子どもたちの長い放課後 YAミステリ傑作選』ポプラ文庫ピュアフル ポプラ文庫の仁木悦子復刊は結構続くなあ。今回も書…

京都に行く時はなぜか必ず寄ってしまう三条京阪のブックオフにて

秋梨惟喬『もろこし銀侠伝』創元推理文庫 光原百合『最後の願い』光文社文庫 宮脇俊三『鉄道旅行のたのしみ』角川文庫

有川浩『図書館戦争』角川文庫 有川浩『図書館内乱』角川文庫 北森鴻『香菜里屋を知っていますか』講談社文庫 鯨統一郎『新・日本の七不思議』創元推理文庫 西原理恵子『西原理恵子の「あなたがいたから」―運命の人鴨志田穣 (NHK「こころの遺伝子」ベストセ…

全国乗りつぶしの旅に行ってました。