2011-05-31から1日間の記事一覧

鯨統一郎『新・日本の七不思議』創元推理文庫

うーん、鯨作品は、突拍子もない回答を平然と押し付けてくる強引っぷりが醍醐味なのに、結論が変に中途半端でどうにも押しが弱くモヤモヤした感じが残る。そうなると、この人の欠点である「会話文や状況描写が味気ない」という面が鼻につき、どうにもしんど…

伊藤計劃『虐殺器官』ハヤカワ文庫

評判の作品を今ごろになって読む。タイトル通りの描写はあるが、「首を切られた死体」ぐらいのワードは気にせず読めるミステリ読みならたぶん問題ないレベル。 設定は確かにSFなのだが、それがいろいろな固有名詞と巧みに組み合わされ、「これはどこかで起こ…

宮脇俊三『失われた鉄道を求めて(新装版)』文春文庫

ああしまった、これは旧版で読んでたわ。道中での出来事を淡々と綴っていて、誰でも書けそうな文章ではあるんだが、それでもよくある鉄道紀行と一線を画すのはどの部分なんだろう。起こった出来事を何でもかんでも書かずに、絞り込んで選ぶそのセンスなのか…

北森鴻『香菜里屋を知っていますか』講談社文庫

核になるネタは実にささやかなものだけど、これを人情味あふれる物語に仕立て上げる技。一言で言ってしまえば簡単なんだけど、この味付けの仕方は何度読んでも素晴らしい。キャラの動かし方が巧みということなのかなあ。空腹感を誘うこの香菜里屋シリーズ、…

鮎川哲也『アリバイ崩し』光文社文庫 有川浩『図書館危機』角川文庫 上野千鶴子『不惑のフェミニズム』岩波現代文庫 上野千鶴子・信田さよ子『結婚帝国』河出文庫 P・G・ウッドハウス(岩永正勝・小山太一編訳)『ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻』文春文庫 …

だいぶ溜め込んでしまったなあ。