2007-01-01から1年間の記事一覧

天野瑰他(共著)『シャーロック・ホームズの新たな冒険--バスカヴィル家の犬』あおば出版

BL系の漫画家が正典の漫画化を進めているこのシリーズも早くも3冊目。BL的においしい所はきっちり拾っているのだが(笑)、原作もちゃんと読み込んでいて好感が持てる。という間に2月にまた続刊が出るようで、この分だと正典60作をすべて漫画化してしまいそ…

酒井順子『女子と鉄道』光文社

女性で鉄道好きを表明している方となると、私の知る範囲ではこの方と、北海道をフィールドにしているフォトライターの矢野直美さんぐらい。数少ない「女性の鉄道好き」の視点から書かれた鉄道エッセイには共感する所多し。それは私もまだまだ鉄ヲタとしては…

飯田泰之『ダメな議論--論理思考で見抜く』ちくま新書

「議論のウソを見抜く技術」と一口に言っても、場面や媒体によって微妙に「技術を使う勘所」が異なってくる。本書は主に「文字(活字)ベースのまとまった分量の社会評論」に対して、その弱点を見つけるための視点を紹介している。マスメディアやブログの評…

J・テイ『時の娘』ハヤカワ文庫

うーん、歴史推理の妙は楽しめるものの、やはり大昔のおぼろげな高校世界史レベルの知識では、この面白さを存分に味わえなかったのが残念。しかし、やっぱりイギリスミステリだなあ、いいなあ、としみじみ思ったのも事実。とかく歴史用語がずらずらと並んで…

宮脇灯子『父・宮脇俊三への旅』グラフ社

鉄道紀行作家・故宮脇俊三の娘さんが書いた父親の回想録。飄々であり恬淡とした文章を綴った宮脇さんも、最晩年は筆力の低下から酒に溺れる毎日だったという話に触れ、改めて「老いと向き合う」ということの意味を考える。まず来る「両親の老い」に対し、一…

広瀬正『エロス』集英社文庫

昭和初期の世相を非常に丹念に追いながら描かれる「ふたつの過去」。この展開をそう落とすかっ!という驚きもさることながら、むしろこちらが主題とも言ってよいほどみっちり書き込まれた世相史をぜひ味わいたいところ。

安井俊夫『犯行現場の作り方』メディアファクトリー

ミステリに出てくる有名な館を、建築士の視点から実際に図面を引いて見るというのが面白い。かつ、「違法建築」とバッサリ斬ってしまうのではなく、「もし実際に建てるなら」という発想の元で、できるだけ現実の建築に近づけようというスタンスが好感。ああ…

読了本取って出し

というわけでこの1ヶ月で読んだ本をショートコメント付きで一気に書いてしまおう。

昔なら誕生日は大晦日

節分に恵方を向いて太巻きを食べるという習慣も、コンビニ等の宣伝のおかげですっかり関東圏にも定着したような感がある。 ……一日遅れとは言え、日記に恵方巻の話を書かないと、ひとつ年をとった気がしないね。

同じく今日までに買った本

松田道弘『マジック大全』岩波書店 題名の印象とは異なるが、初心者を意識したマジック入門本。技法そのものよりも心構えや考え方を中心に書かれていて、それでいて平易で分かりやすい。「マジックを少し覚えてみようか」と思い、本をちょこちょこ買い始めて…

とりあえず今日までに買った本

買った本のうち、現時点で未読のものをまとめてメモ。読了したものは改めてショート感想とともにまとめる予定。 鮎川哲也『山荘の死―鮎川哲也コレクション 挑戦篇〈1〉 (鮎川哲也コレクション (挑戦篇1))』出版芸術社 鮎川哲也『白馬館九号室―鮎川哲也コレク…

あけましておめでとうございます

気が付けば二月も近くなっておりますが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。 今さらながら今年の目標を書くと、「蓄積と成長」か。去年はもう「何かをやった」という実感のないまま、何となく一年を過ごしてしまったように思うので、今年はもっと充実し…