「議事録」は取ってません。

実質2日前の話になってしまっているけどまあいいか。北村薫戸川安宣トークセッション@ジュンク堂池袋店に行ってきた*1

とりとめのない話といえばそうかもしれなかった。しかし、聞き手を引き込む巧みな語り口の北村さんに、日本ミステリ界の面白いエピソードをたくさん知っている戸川さん、である。地獄荘でもどこでもいいですから続きの話を聞きたい、と思った。戸川さんが持ってきた「紙魚の手帖」や「じゅえる」*2も間近で見たかった……。

印象的だったことを2つほど。
1つは、ギャラリーからの質問に答える北村さんの姿が、まさに先生が生徒に説明をするかのように見えたこと。決して教壇の上から説教をするという雰囲気ではなく、丁寧かつ真摯に答えようとする姿勢を崩さなかったことが印象的だった。
もう1つは、物語を読みながら「あれはどういうことだろう」「ここはこういう意味なのかな」とあれこれ解釈を巡らすことは、「読む創造」というべきものであり、一般的にイメージされる「書く創造」より決して下に来るものではない、という言葉。「読むことも1つの創造」という視点は面白かった。『ニッポン硬貨の謎』自体、クイーン作品に対して「読む創造」を発揮した結果生まれた作品、ということなのは間違いない。

*1:改めて、牧人さん(id:makito)ありがとう!

*2:北村さんが学生時代にガリ版で作った同人誌。