今日は賞尽くし

芥川賞2作を載せた『文藝春秋』が増刷で100万部にというニュースを聞いて、まるで戦前の『キング』みたいな売り上げだなあと思ったが、日本雑誌協会の発行部数データを見ると、『文藝春秋』の2002年の平均発行部数は63.5万部だという。売り上げが数倍になったようなイメージがあったが、そこまで元の売り上げが少なかったわけではないらしい。もっとも、かつてに比べれば相対的な売り上げは落ちているのかもしれないし、実数で40万部上積みというのはやはり珍しいことだろう。
授賞式の写真がいくつか発表されているが、両賞の受賞者4人の写真(朝日毎日)について、ある所で「どう見てもビジュアル系バンド」と書いているのを見てツボにはまってしまった*1。しかもその瞬間に、眉間にしわを寄せてドラムを叩いている京極の姿が頭に浮かんで吹き出してしまった。さて他のメンバーをどのパートに割り振るかと考えると面白いのでやってみるべし。私はJ-POPやロックの方は詳しくないので、ジャズのコンボとして勝手にパートを割り振ると、今度は眉間にしわを寄せてベースを弾いている京極の姿がしっくり来る。ならば金原ひとみがドラムかなあ、そうすると江國香織がピアノに回って、やっぱり綿矢りさがボーカルorソリストに落ち着くのかなあ、と考えてみる。だからなんだと言われても困る。
それにしても、既に十分な実力と知名度があるとは言え、直木賞二人は完全に割を食ったとしか言いようがない。特に京極夏彦の受賞は「ミステリー界」から言えば久々の快挙じゃないかと思う。「ミステリー作家」というカテゴリーに入る作家が直木賞を取るのはずいぶん久しぶりだし*2、「講談社ノベルス系」の作家となると初めてなのだから。

*1:こういう「ちゃんとした」4人の写真もある。

*2:最近の直木賞の受賞者・候補作についてはこちらが詳しい。ただ、京極を「ミステリー作家」と呼んでしまっていいかはちょっと留保が必要かもしれない。