日本シリーズ第5戦:禁句

試合が始まってしばらくは、「なんかいまひとつ精彩を欠く試合だなあ」と思っていた。阪神斉藤和巳の変化球を引っ掛けて凡打の山、ダイエーもいいんだか悪いんだか分からない「いつも通りの」下柳に翻弄されっぱなし。金本とバルデスのホームランも「あれ、あれ、あれれれ?」と思っている間に入ってしまったという感じで「打ってやった/打たれた」という感触はなし。おまけにバントミスやら走塁ミスやらが両軍それぞれにあって盛り上がらないことおびただしい。連続サヨナラで両チームともヘロヘロなんだろうか、とも考えた。
じわじわと盛り上がってきたのが、6回表、二死二塁バッター城島、2-3から外角にひょいっと落ちる変化球で三振といういかにも下柳な打ち取り方をしてから。なんだかんだ言いつつも下柳が6回2失点の「ノルマ」をこなしたので、「もしかして勝ちパターン?」という頭がよぎる。
そうしたらその裏にようやく今年の阪神らしいつなぎ野球で桧山の2点タイムリー! 何とも追加点が取れないという歯がゆい展開ながら、吉野−リガン−安藤−ウイリアムスと必勝リレーがぴたっとはまって勝った!
終わってみればダイエーが2塁を踏んだのは6回だけ、連打も城島のヒットに続くバルデスのホームランだけと、なんだかんだ言いつつもダイエー打線を押さえ込んでいたということか。といっても阪神は、金本やアリアスはもちろん、今岡や片岡にも(つなぎのヒットではなく)一発を期待してしまう時点でペナントレース時の野球にはほど遠いが。
秀太と交錯して担架で退場した川崎が心配だ。秀太のヘルメットが頭にぶつかって倒れたということなので、肩とか腕をやってしまったということではなさそうだが。脳震盪ですみ、明後日は無事登場してくれることを祈ろう。わざとではないとは言え、昨日井川がデッドボールをひじに当ててしまった村松も今日はスタメンを外れたので、ちょっと申し訳ないが⋯⋯。


えー、ファンのみなさま。あの「三文字」は禁句ですからね。今の状態で敵地に乗り込んでも、正直微妙だろう。無心で応援、それだけ。