行ってきました黒猫荘オフ@浜松館山寺温泉。
 経費節減のため朝8時に東京駅発の鈍行電車に乗る。読書会の課題本・鮎川哲也『偽りの墳墓』を読み、ぼーっと車窓を眺めながら、4時間半ほどで浜松に到着。立ち食いそばで昼飯を済ませ、待ち合わせ場所に向かい、皆さまにご挨拶をする。
 今回の出席者で見知った顔といえば、しょっちゅう顔を合わせているアシェさんと、MYSCON4の全体企画で一緒に前に出た天野一@幹事さんと、MYSCON4でちょこっと話したmatsuoさんと、遠くから見かけた近田鳶迩さんぐらい。初対面の人だらけだったということで軽く緊張気味に出発。
 まずは途中でバスを下りて古本屋へ。一般文学・専門書寄りの店で、じっくり見る人とさっさと出てくる人にきれいに分かれたのに笑ってしまった。私はざっと店内を流して早めに出てくる。
 そこから浜松城に上り、天守閣のたもとで幹事の天野さん他と合流。天守閣には上らずそのままもう一軒のお店へ。文学全集がうずたかく積まれた、これまた何とも味わいのある古本屋だったのだが、ここで個人的大戦果。

 戸板康二小泉喜美子とF・コナー(元イギリス大使館書記官)とともに歌舞伎の合評をした座談会をまとめたもの。ミステリー作家の中で特に歌舞伎に通じた二人が語っており、ビギナー向けの柔らかい内容ということで、長らく探していた。これだけで浜松に来たかいあったというもの。

 そこから今夜の宿の館山寺温泉へ。「男性部屋のうち二部屋を雑談部屋にし、残りの部屋は寝部屋にして脱落した人から順番に寝に戻る」と部屋割りを定め、個人の荷物を適当に部屋に置き、しばらく自由時間。私は浜名湖沿いに温泉街を散歩し、ちょっとした露店が建っていた神社に手を合わせ、1時間ほど歩く。宿に戻ってそのまま温泉につかる。温泉ばんざい。
 浴衣に着替えたところでしばし雑談。このとき天野さんから約束の一冊をいただく。

 いよいよ宴会場へ。何人かのオフレポにも書いてあった通り、大半が浴衣に着替えていることもあって何だか温泉宴会旅行モード。
 オーナーの発声で乾杯したのち、自己紹介と交換本の披露。私は前に古本屋で拾った、泡坂妻夫『生者と死者』未開封版を持ってきた。しばし歓談ののち、くじ引きで交換本をもらう相手を決める。私はアシェさんに当たり、そのまんま東の書いた『ビートたけし殺人事件』以下3冊を引き取ることに。「これ三冊読んで感想を3号室にアップするのか。むー」と思っていたところ、自分の番号を引いてしまって交換相手がいないみわっち。さんを見つけ、「それじゃあ僕のと交換しましょう」と、これ幸いとばかりに押し付けてしまう。というわけで最終的に手元に来たのはみわっち。さんからのこの本。

 もらう本にケリがついたところで、今度は私の『生者と死者』がどこに行くかと思っていたら、なんと小林オーナーの元に行くことに。100%確実に持っている方に行くことになり、恐縮しながら渡す。

 続けて「ミステリ版クイズ!ヘキサゴン」。人数が多いのでチーム別対抗戦という形になる。わがポアロチームは、無謀松さん、鍋谷さん、広川さんという頼もしい面々。
 しかしいざゲームが始まってみると、間違えた問題の時に限ってバッテン指名を食らうわ、こっちのターンで指名をしても見事に裏目に出るわ、×2つまで追い込まれたときに限ってメンバー全員が不得手なメフィスト賞がらみの問題が続くわと、ことごとく逆風が吹いて一番最初に×3つをもらって脱落。『飛蝗の農場』もちゃんと漢字で書けたし、第1回『このミス』海外編1位もばっちり当てたし、正解率は高かったのに……。

 宴会場を出た後は、放出本いただき大会へ。わったんさんが持ってきたダンボール一箱分のほぼ「新古本」の山をはじめ、わりあい新しめの本が大量に放出される。えんじさんの仕切りでどんどん本が掲げられ、繰り返されるジャンケン。その中でゲットしたのがこの本。

 最後のマンガが意味不明かもしれないが、「パチスロ日常の謎を解く探偵」と言われれば、もらうしかないじゃないか。

 えんじさんの奮闘により何とか時間内にすべての放出本をさばききったのち、マンガ組と本格組の二手に部屋を分かれる。私はそのまま部屋に残って「屋根裏の散歩会」読書会に。課題本の鮎川哲也『偽りの墳墓』は先に書いたように行きの電車の中で読んできたのだが、皆さんのコメントを聞いて「もっときちんと読んでくればよかった」と冷や汗。専門的な知識の有無というよりは、この作品の読み所・うまくない所をきちんと把握しその上で作品を味わうという、熟練の読み手の皆さまの読み方に感心しきり。ここの日記でネタにもした「社会派」論にも話は広がり、非常に楽しい読書会だった。どんなジャンルであっても、熟練の読み手の方のお話を聞くのはためになり楽しいもの。そんなことを改めて思った。
 1時間ほどで読書会は終了。大広間には私とアシェさんと鍋谷さんと小林オーナーがポツンと残り、色々と読書談義。途中から森下祐行さんも加わり、ミステリ話を語る語る。ちょうど天藤真山田風太郎の話題が出たのでスパークして語る語る。その時居合わせた森さんFOOLさんはおいてけぼりにしてすみません。(^_^;)
 それにしてもいっこうにこちらに人が来ない。話の流れが不得意な海外ものに流れたときに中座して他の部屋に紛れ込もうとする。隣の「マンガ夜話」部屋は満員だったが、私はマンガはほとんど読まず話が分からないのでパス。そして、別の部屋で語っているものだと思っていたがのぞいた男子部屋2つは完全に寝部屋で人がいない。どうやらほとんどの人がマンガ夜話に集まっているようで、すごすごともとの部屋に戻る。
 まもなくマンガ夜話が終わって、主に屋根裏の方々がこちらの部屋に戻ってくる。ここで改めてミステリ話開始。島田荘司話をきっかけにいろいろ語る語る。「一冊だけベストを選ぶなら」「『黒死館殺人事件』読了●回はギネス記録か」「最近のミステリ読みの動向」などなど。
 そうこうしているうちに3時になり、そのまま散会に。(翌日に続く)