赤川次郎『マリオネットの罠』文春文庫(ISBN:4167262010)

怪しげな洋館、謎の姉妹、地下室、無差別殺人、人里離れた療養所などなど。「そうそう、これがミステリーだよな!」とうなずかんばかりの虚構美の世界。ラストの緊迫感の演出はさすがであり、エンディングで明らかになるタイトルの秘密にうなる。赤川次郎をこの作品から入れたならばそれはきっと幸せなことだろうと思う。