ショートコメント一気出し

最初に元版を読んだのは実際にオーボエを吹いていた頃だから、もう十年以上前か。
改めて読み返して、「クラシックや楽器にちょっと興味を持った人」、ぶっちゃけ「のだめでクラシックに興味を持った人」向けには格好のエッセイだと思った。楽隊の日常や生態を面白おかしく書きつつも、茂木さんの音楽に対する真摯な姿勢や、熱く語られる音楽の奥深さに魅かれる。クラシックやオーケストラに対する「何だか退屈そう」という第一印象を変え、音楽に対する興味がさらに深まること請け合い。
そこまで大上段に構えずとも、日ごろ黒木くんが苦労しているオーボエのリード作りは作中で描かれている以上に大変で重要だとか、デュトワがしつこく「ワンスモアタイム」を繰り返すところで「千秋の粘着指揮」を思い出すとか、そういう楽しみ方もできるはず。
シャーロック・ホームズの新たな冒険四つの署名 (あおばコミックス)

シャーロック・ホームズの新たな冒険四つの署名 (あおばコミックス)

参加している漫画家さんはほとんどBL系で、版元もBL系の本を出している所、ということでものすごく警戒していたのだが、絵柄こそ女性向けだがそれ以外は普通の漫画化で一安心(?)。原作もきちんと読み込んでいることが伺えるし、原作をぶち壊しにしない適度な遊びもあり、なかなかよい感じ。
ではなんでこんな形でいまさらホームズを漫画化?と思ったが、中を見るとちらりちらりと「その手の人が喜びそうなカット」があって、なるほどそういうニーズかと納得(笑)。それならばなまじパロディとかにしない方が良いわけか。