ミステリ経験値大反省会

まずは統計学的・アンケート調査論的な話から

設問については、「経験値レベル1」〜「経験値レベル5」の代表例というイメージで考えた。その考え方からいくと、「○の合計」を数えるよう勧める書き方をしたのはあまり良くなかった。円の中心から出ている10本のバーの上に結果をプロットし、多角形を作るグラフの方が適切かもしれない。
簡単な集計結果のグラフ(id:tomo-s:20051022#p4)が正規分布になっていないことからも示されるように、この設問において「○20個は平均より上か下か」ひいては「○が10個しか付いていないが自分はダメなミステリ読みなのか」というように、○の数が標準より良いか悪いかを論ずることはできない。おまけとして書いた話(id:tomo-s:20051013#p3)もあわせ、軽く流していただければ幸い。

設問の作り方

まず、経験値の最大のファクターである所の「読書量」は敢えて外した。本当は「本格」「ホラー」「ハードボイルド」などなどとジャンルを分けて作品を選ぼうかと思ったが、私の読書量では到底決め切れない。それにかつては「本格ミステリファン度調査」などのアンケート調査企画がいろいろあったため、読了状況については項目から外した。
また、映画の項目を入れなかったのはひとえに作者の知識不足。ミステリ映画を5つ挙げることはできたが、「経験値レベル1〜2」に相当する映画を挙げられなかった。『ローレライ』とか『映画版・姑獲鳥の夏』とか『劇場版TRICK』とか考えたがどうにもピンと来なかった。「劇場版コナン」が妥当だったか? あ、コロンボもあったか。
コナンと言えばもう一つ、「なぜ漫画に『金田一』があるのに『コナン』がないの?」というご意見多数。実は、この反応は私にとってちょっとした驚きと発見だった。
なぜなら、私にとっては「ミステリ漫画としてまず金田一が登場し、それに触発されて(もっと言ってしまえば「インスパイヤ」されて)出てきたのがコナン」という認識だったため、「基本はコナンよりも金田一」という頭があったからだ。そこから、「コナンを読んでいるのに金田一は読んでない、ということはない」と思い込んでいた。
金田一の連載終了が2001年の初めだから*1、当然コナンしか読んだことのない人も多いはず。それでも私にとってはちょっとしたカルチャーショックだった。
他に、テレビで「「月蝕の館殺人事件」があってなぜ「湖畔の館殺人事件」*2がないの?」というご意見も。これについては正直どちらでもよかったというのが真相。原作者本人も頭を抱えていた、という惨憺たる出来だったのはどっちだったろうか?
そして最後に、「あれが入っていないのはなぜ?」という質問について。先に書いたように「経験値レベルの代表例」として、最大5つというしばりをつけた。だから、選択肢の選定にはあれこれと頭を悩ませた。ここに入っていないものを認めない、というつもりはないのでご了承願いたい。『逆転裁判』とか「作家サイン会・トークショーに出席」とか『ジャーロ』『小説推理』『オール讀物』とか、最後まで迷ったのだが。

その他いろいろ

『NERVOUS BREAKDOWN』はフクさんの紹介ページが詳しいので、「何それ?」と思った方はぜひこちらへ。私は未読だが。
また、先の集計について、月田@幻影の書庫さんが詳しくコメントされている*3。ネット歴や年齢といった情報はデータに入れられないので、この仮説の検証ができないのが残念。

*1:そんな昔なのか!

*2:こちらは『霧越邸殺人事件』原作の二時間ドラマ。

*3:フクさんも10/22分の日記で同じ内容のコメントを書いている。