映画「ZOO」の感想だけさくっと書いてしまおう

「原作は以前に読んでいて、各話のだいたいのあらすじは覚えているがオチがどうなっていたかはよく覚えていない」という状態で鑑賞。
乙一のホラー寄りの作品の味は、独特の「恐怖のツボ」をぐっと突かれることで沸き起こる何とも言えぬ後味だと思っている*1。今回の映画では、原作を読んだ時ほどこの「ツボ」が突かれなかった。「カザリとヨーコ」や「陽だまりの詩」あたりは、「原作はもっと尾を引く読後感があったけど、映画だとえらくあっさりと終わったなあ」と感じてしまった。
「SEVEN ROOMS」と「SO-far」にそれぞれ出てくる子役2人がいい味を出しているし、見どころもあると思うのだが、妙に「原作はこんなではなかったはずだよなあ……」という思いがよぎってしまう。それは演出が今一歩及ばなかったということなのか、それとも私の観客としての眼が未熟なのか……。いずれにせよもったいない。

*1:そこまで乙一ホラーを読み込んでいるわけではないので的確な説明かどうかは何とも言えないが、おそらくそのツボとは「理不尽さ、不条理さ」ではないかと考えている。