D・V・D! D・V・D!

今年に入ってから買っては見ているDVDについてつらつらと。

当然DVD全3巻はすべて買っている。鉄道旅行好きにはたまらないのは当然だが、「日本探訪」の趣があるので旅好き一般の人にも楽しめるのでは。関口知宏さんが自然体で旅行を楽しんでいるのが特にいい。
見どころは当然ローカル線にあるのだが、日ごろ通勤などで使っている都市圏の路線も、こういう形で見るとちょっとした感慨がある。以前にも書いたが、「線路は続くよどこまでも」とはよく言ったもので、日ごろうんざりするほど乗っている通勤電車であっても、この線路がどこか知らない土地へつながるかぎり、「旅の始まりもここから」なのだ。そう考えると電車に乗る気分もちょっと変わってこようというもの。
もっと言えば、たとえ見慣れた通勤経路でも、見方さえ変えれば「旅」になる。宮脇俊三の「日常性からの脱却こそが旅である」という言葉を実感する。

かつて初任給が出たら買おうと決意していた、グラナダTV制作のホームズのDVD。決定版が出たので買ってしまった。
とにかくジェレミー・ブレット最高。甲高い声でエキセントリックにしゃべるところはまさにホームズ。ホームズは冷静沈着にずばりと推理するという性格もあるのだが、かといって人格的にも非の打ち所のないスーパーマンというわけではない。わがままで子供っぽい所があったりただのズボラな面もあったり、いしいひさいちが『コミカル・ミステリー・ツアー 赤禿連盟  創元推理文庫』で描く所の「社会不適応者」に近い面もあるのだ。そういう部分まで含めて「ホームズ」を作り上げているジェレミー様はやはり神。素敵。
その他の部分についても、原作の細かい部分まで丹念にフォローして作り込みをしつつも、ところどころで原作から離れてみたり遊びを入れているのがとても良い*1
あと、日本語版の吹き替えをやっている、「山さん」露口茂の声もいい。ジェレミーとは声質がかなり異なっているはずなのだが、こちらはこちらで一つのホームズとしてしっくりくるのだ。

スウィングガールズ スペシャル・エディション [DVD]

スウィングガールズ スペシャル・エディション [DVD]

買っちゃいました。出色なのはやはりメイキング部分。実際に楽器なりJazzをやっている人だと「わかるわかる」とうなずいてしまう部分多数。合宿の思い出や演奏会の喜びなど、なんだか音楽に関する思い出が次々とよみがえる。「演奏の楽しさの原点」のようなものが垣間見えるのがこの映画の良さなんだと再確認した。
あと、各キャストの役柄と素顔のギャップ。矢口監督自身役柄に関しては髪形や服装までひっくるめてかなりの作り込みをしているし、仮にも「演技」をしているわけだからギャップがあって当然なのだが、それでもいい意味で「違和感」を感じる。髪形が変わってものすごく垢抜けた拓雄(Pf:平岡祐太)や直美(Dr:豊島由佳梨)とか、ロックを離れた弘美(G:関根香菜)と由香(B:水田芙美子)とか、素顔ではキャラクターが正反対だという香織(Tb:本仮屋ユイカ)とか。
予約する時、プロモーション風景とかは別に見なくていいやと思ったので、3枚組の「スウィングガールズ プレミアム・エディション [DVD]」ではなくて2枚組の「スペシャル・エディション」にした。でもやっぱり「プレミアム」にしておいた方がよかったとも考え中。代わりに代わりに「スウィングガールズ ファースト&ラスト コンサート [DVD]」の予約を入れてしまった。

*1:たとえば「赤毛連盟」に黒幕がいたり、ワトスンに"Elementary, My Dear Holmes" と言わせてみたり。