浅草両国そぞろ歩き

ゴールデンウィークは別に遠出の予定もなく、このままでは大した所に行かないまま終わってしまうので、ひとまず足下から固めるべく浅草に行ってきた。
東京都民なのに、というよりは東京都民だからこそというべきか、浅草には行ったことがない。せっかく近くに住んでいるんだから、こういう機会を使って行っておこう、と出かける。
雷門に着くと既にすごい人出である。込み合う仲見世を抜けて浅草寺の本殿に参拝。おみくじは半吉で、どうも調子の悪いことばかり書いてある。謹んで結びつけておく。
本殿脇の広いスペースにはかなりの数の露店が出ている。たまらず何軒かの店で買う。本当はどこか気の利いた浅草らしい定食屋か洋食屋で昼飯を食べたかったが、結局ここでお腹いっぱいになる。「串焼もんじゃ」だったか、用はもんじゃ焼きの生地を五平餅みたいに串に刺し、表面がパリパリになるように焼いたものがなかなかおいしかった。
そこから花やしきの前を抜け、浅草六区へ。遊園地と一杯飲み屋とウインズと映画館とピンク映画館とソープとキャバレーと洋食屋と演芸場とストリップとゲーセンと甘味処とその他もろもろが一緒くたになって同居しているこの雰囲気、けっこう好きである。老若男女を問わず、とりあえず娯楽を得ようと思ったらみんな浅草に行く、という時代があったんだなあと思った。ついバッティングセンターに入って2ゲームやってしまう。
さて浅草を出た後は隅田川に沿って両国まで下りていく。やはり川沿いのダンボールハウスというかビニールシートハウスが目立つ。ただ、有名な話だが、けっこう造りがしっかりしていたり、ちゃんと玄関めいたものがあったりするのが面白い。途中ではハウスをみんなで造っているのも見かけた。
30分ぐらい歩いたか、両国の国技館まで下りた所で電車に乗って錦糸町へワープ。ちょっと用事を済ませた後で、総武線北側の北斎通りをのんびり歩いて両国に戻る。何でこんなルートを歩いたかといえば、宮部みゆき『平成お徒歩日記』の「本所深川七不思議お徒歩日記」でこの辺を歩いていたから。もっとも、七不思議の場所をきちんとチェックしないままずんずん歩いてしまったので、あっさりと両国に着く。
戻ってきた所で今日の締めとして江戸東京博物館を見学。特別展の「新撰組!展」は料金が高いので常設展だけ見ることにする。常設展だけでもかなりの量があるので駆け足気味に見ることになったが、歴史好きの私としては十分に楽しめた。何となくヤマフウが読みたくなってきた。
かくしてお江戸小さな旅は終了。浅草はまた行ってみたいと思う。東京の歴史名所も、休みの時にでもちょっと足を延ばしていろいろと回ってみたい。