虎本ラッシュは続くよ

本屋で星野仙一『夢』(ISBN:4048838512)と、なぜかひと足早く店頭に並んでいた和田豊『虎の意地』(ISBN:4087803856)を買う。
さっそく『夢』を読了。どういう形でこの文章をまとめたのかは分からないが、簡潔明快な文章で読みごたえがある*1
ダメ虎再生のために監督がやってきたことをいろいろ語っているが*2、ポイントは結局のところ三つに集約されそうだ。選手・チーム・球団全体のどのレベルでも共通に、

  • 目標なりビジョンを明確にし、たえず意識する(させる)。
  • 目標に対して自らがなすべき努力、果たすべき役割をきちんとやる(させる)。
  • 胸襟を開いて思っていることを包み隠さずさらけだし、メンバーが互いに信頼感と心の結びつきを持てるようにする(ただしそれは単なる「なれ合い」にあらず)。

の三つのことを目指した結果だ、ということ。うーん、シンプルながら奥が深い。
ただ、その一方で思ったのは、この星野イズムはタイガースにとっては格好の処方せんであったが、どのチームでもうまくいくとは限らないのではないか、ということだった。そこから「監督としてのタイプ」や、「タイガースにおける野村と星野それぞれの評価」などあれこれと考えたが、それはまた後日改めて。

*1:監督自身が全部ペンを取ったのか、口述筆記の形をとったのか、さらにエディターの手が入っているのか、といったことは読んだだけでは何とも言えない。

*2:もっとも、どんなにしたって「勝てば官軍」ということは否定できないし、コミュニケーションやメディアの使い方がうまい監督でもあるから、少し引いたところから読むのが筋なのだろう。