パシフィックカーリング選手権@ダイドードリンコアイスアリーナ

トリノオリンピックのあの日本vsカナダ戦から始まったカーリング三昧のこの一年の締めくくりとも言うべきイベント。ふだんは青森やら常呂、近くても軽井沢という所でしかやっていないカーリングの国際大会が東京で開催されるとあっては行かずばなるまい。日本チームは残念ながら前日の準決勝で男女とも敗れ、午前中に行なわれる3位決定戦に回ることになっていたので、昨日のうちにコンビニで指定席のチケットを押さえ、早起きして東伏見へ。

女子3位決定戦

取った席は女子チーム(チーム青森)側。おお、テレビや新聞で見てきたすっかりおなじみのメンバーがいる。しかも今回は、場内FMの解説*1トリノの解説でおなじみの小林宏さん、実況はカーリング関連の記事を多く書いているスポーツライター生島淳さん、そしてゲスト解説が小野寺歩林弓枝コンビという、トリノからカーリングにハマった人間にとっては涙の出るようなラインナップ。トリノの中継を思い出しながら試合を観戦。
女子チームの対戦相手はニュージーランド。今日の日本チームは手堅くショットを決めていたのに対して、ニュージーランドチームは大事なショットをことごとく外す絶不調。半ばニュージーランドチームの自滅のような形で大差をつけ、最終エンドを待たずに相手はギブアップ。
シートの一部分しか映さないテレビ中継を見る時と違い、シート全体を見渡して観戦をするといろいろと新たな発見があるし、選手の話し声やコールがはっきり聞き取れるので非常に面白かった。ギブアップの握手なども、改めて見るといいもんだなと思った。見に来て良かった。
さて、一番の「お目当て」は早々に終わった。2時間半ほぼ座りっぱなしなので、何も準備をしていないとさすがに足下が冷えてきて少々しんどい*2。決勝を見ずに帰ろうかな、と思っていた。

男子3位決定戦

ところが、隣のシートの日本男子チームvs中国が熱戦になっていた。
激しいシーソーゲームを展開する中、第9エンドにミスから中国に2点の勝ち越しを許す。最終の第10エンドも中国優勢で進み、このまま逃げ切るかに思われた。しかし日本チームスキップが最後の一投でスーパーショットを見せ、土壇場で起死回生の2点をもぎ取り、延長戦へ。このまま帰るなんてとんでもないと、シートがよく見える場所の自由席に移動。
そして延長第11エンド。最善手でピンチを切り抜けたと思ったら相手も最善手を決めてきて……という目が離せない展開。ノーミスで続いたラリーの最後は、中国が執念のスイープでストーンを真ん中にねじ込んで勝利をもぎ取った。
日本が負けたにもかかわらず、中国チームの最後の一投が決まると大きな拍手が沸き起こった。これぞカーリングの醍醐味という素晴らしいゲームだった。女子チームが勝ったんでさっさと帰ってしまった人は実にもったいないことをしたと思う。
これだけの戦いを目にしてしまった以上、これ以上にハイレベルな試合になるであろう午後の決勝戦をみすみす見逃して帰る法はない。私は決勝ラウンドの当日券を買った。

勝戦

男子決勝はオーストラリア対韓国、女子決勝は韓国対中国。どちらの試合もよく見える場所に陣取る。午後の観客は多少減ったように見受けられるが、むしろ日本が出ないにもかかわらずよくこれだけ観客が残った、というべき。
結果は、男子はオーストラリアが、女子は中国が優勝。どちらも非常に印象的な戦いっぷりだった。ベテランぞろいのオーストラリア男子は、観客が「うおっ!」と叫ぶようなスーパーショットで韓国側のストーンを片っ端からはじき出し、韓国を終始圧倒した。中国女子はスイープを駆使して自由自在にストーンをコントロールし、ミスらしいミスの無い完璧な試合運びを見せた。素晴らしい。

アリーナを後にして

今回初めて生で試合を見て、カーリングってやっぱ面白い!」ということを再確認した。チケットの元は十分取れたと思っている。そして「カーリングという競技そのもの」に完全にはまったことも間違いない。行ってよかった。

*1:CurlTVというカナダのカーリング専門インターネット放送局の中継を行なっており、その音声を場内に流すという形をとっていた。

*2:ウインタースポーツ観戦に慣れている人なら、防寒対策はよく分かっているのだろうけれども。