今ごろ韓流

そんな中で私がせっせと見ているのが以前にも書いた宮廷女官チャングムの誓い」。目的が半分以上イ・ヨンエだというのは認めるが、なかなか内容も面白い。
歴史上の世界を舞台に、主人公が幾多の苦難を乗り越えていくという、オーソドックスな「大河ドラマ」。そこに、どことなく橋田壽賀子ドラマのような雰囲気を感じてしまうのは、「女の闘い」だからか。宮中で女官長様とチェ尚宮が密談しているシーンが、なぜか「おんなは度胸」で藤山直美園佳也子が若女将・桜井幸子の悪口を言うシーンと重なるのは私だけ?
こうした、いかにも中高年の視聴者が好みそうなNHKドラマ的要素以外にも、「チャングム」が幅広い層に支持される要素がいくつかあるように思う。それが何だろう、と考えてもすぐにまとまらないのがちょっと悔しい。個人的には、ミン・ジョンホへの報われぬ恋心から転じてチャングムに黒い炎を燃やすクミョンの存在が要素の一つとも思った。だが、こういう「身分違いの恋」というのはむしろ一昔前のドラマのモチーフで、若者層にはちょっとなじみが薄いような気もしないではない。何なんだろうなあ。