「里見八犬伝(後編)」

八犬伝の映像化としては文句なしの出来。殺陣や合戦シーンの作り込みがポイント高し。特に、原作ではグダグダになる最後の大合戦に、見せ場をきっちり作った上でああいう形で決着を付けるあたり、うまくまとめたものだ。そして、大胆に話の筋を変えつつも、原作の勘所をちゃんとつかんでいたところはちゃんと評価すべきかと思う。
それでは以下は昨日同様のネタバレ大放談。
・細かい所のキャスティングまでちゃんと気を使っているところが後編でも伺えた。佞臣馬加大記=佐野史郎はもうちょっと見たかったなあ。化け猫が変化した赤岩一角に陣内孝則を持ってくるところもうまい。一つだけ「?」をつけるなら、籠山逸東太=武田鉄矢かな。悪役ぶりに違和感があったというよりは、殺陣が映えないのよね。
・姦婦船虫は微妙に境遇が哀れになっておりました。玉梓を最後まで悪玉として引っ張った以上、原作通りの悪女として描くとキャラがかぶる単純な理由だったかもしれないが、全体を通して見るとこの解釈は実はありなのではと思っている。
・ラストの玉梓往生のシーン。悪玉を斬って捨てて終わりにする前に、こういうワンクッションを置いてくるというのはなかなかできないのでは。単純に「悪は滅びて善が勝った。バンザーイ」とか「悪人が善に目覚めました。パチパチパチ」という落ちにせず、いい余韻の残し方だったと思う。
・浜路と信乃の再会シーンが、実はセカチューのどこかのシーンと酷似している「セカチューパクリ疑惑」ということは……ないよな。