「里見八犬伝(前編)」見た

いくら5時間あるとはいえ、あの大長編をどうやって料理するかと思って見ていた。まず、キャスティングに手を抜いていないのが好感。個人的には、信乃・額蔵・浜路をいびる蟇六・亀篠夫婦に、小日向文世泉ピン子を持ってきた所が大ヒット。それに、芳流閣の決闘と庚申塚の刑場破りという『八犬伝』前半の見せ場で大立ち回りを見せてくれたから満足。名場面をちゃんと拾ってじっくり見せてくれるのでなかなかよい出来。明日は「古畑任三郎」を録画に回して、こっちを生でチェックしようか。
ここから先は本編の内容に触れまくるので、録画などで後から見る予定の方はご注意のほどを。
原作との違いを中心に、思ったことをアトランダムに。

  • 八犬伝なのに何で八房(原作ではいろいろあって伏姫(=仲間由紀恵)と結婚する犬)が出てこないんだー!」と冒頭で叫んだ人は多いはずだ。
  • 「なんで信乃(=タッキー)が女装しているシーンがないんだー!」と叫んだ人は絶対いたはずだ(原作では、父の教えに従って14まで信乃は少女の格好をしていた)。
  • 「里見家の家紋は牡丹じゃない!」と叫んだ戦国ヲタもいたはずだ。
  • 玉梓→妙椿尼=菅野美穂というキャストはおそらく現時点での最善手。ただ、どちらかというと大悪女というよりは狂女や怨霊の方がしっくり来るタイプなので微妙に違和感がある。悪役らしい低い声が出ないんだよなあ。さて後編でどうなりますか。
  • 八犬伝』において玉梓と並ぶ2大悪女である船虫(=ともさかりえ)が、善人役の気配で出てきた時は焦った。後編では原作通りの役柄になるんだろうか。だって原作では、男を誘って連れ込んで、ディープキスをさせたところで男の舌を噛み切って殺し、金目のものを奪うという実に恐ろしい女なんだよ。
  • もう一つ焦ったのが、原作では網乾左母二郎(=田辺誠一)に斬られて死ぬ浜路(=綾瀬はるか)が死ななかったこと。ある意味「原作通り」に「最後には浜路と信乃が結婚する」形にするんだろうなー、と思っていたら妙椿にさらわれてしまうところが新展開。