マレー半島すちゃらか随想(1)〜意外と普通に知っている〜

あなたの目の前に、アジア圏から来た初対面の人がいる。国籍は中国でも韓国でもシンガポールでもマレーシアでもどこでもいい。二十代であることは確かだが、人となりや趣味はよく知らないものとする。さて、この人と雑談をしようと思った時に、どんな話題を振れば良いだろうか。

解答例1:日本の漫画の話を振ってみる。

アジア圏で日本の漫画やアニメが非常に普及していることは聞いていた。ただ、せいぜいドラえもんドラゴンボールぐらいだろうと思っていたら、これが大間違いだった。
現地でシンガポールやタイから来た人と雑談をしている時に、日本の漫画の話を振ってみた。最初に出てきたのは「ドラえもん」というのは想定の範囲内。しかし続いて出てきたのが、「NARUTO」に「犬夜叉」に「ラブひな」ときたもんだから驚いてしまった。セーラームーンドラゴンボールはもはや常識レベルらしい。その後も韓国やマレーシアのメンバーにも話を振ってみたが、みんなけっこう知っている。
クアラルンプールのあちこちにある大型ショッピングモールに行ってみると、普通のおもちゃ屋やDVDショップ等に混じって、必ず日本の漫画やアニメを扱った店がある。さらにはいわゆるフィギュアを扱う店まである。軽く中をのぞいてみたが、少年漫画・青年漫画・少女漫画それぞれまんべんなく、わりあい最近の漫画も訳されて置いてあったし*1OVAやアニメのサントラCDなんてのもしっかり置いてある。
日本の漫画に関しては、日本とアジア諸国の「時差」はそれほど無いように思われた。同世代のアジア圏の人ならば、ちょっと前に読んだ漫画の話をすればかなりの確率で食いついてくるんじゃないだろうか。

余談。韓国人とクアラルンプールのショッピングモールをぶらぶら歩いて、マンガ屋に入った時のこと。韓国の彼も、昔はよく日本のマンガを読んでいたとのこと。そして、「キムジョンイルなんちゃら」を読んだよと(英語で)言われ、とっさに意味の分からなかった私は「North Koreaの?」と聞き返してしまった。
正解は「金田一(少年)」。たぶん韓国語読みを日本語表記すると、「金田一」も「金正日」もどちらも「キムジョンイル」になるんじゃないかと思う。

*1:都立水商!』があったのには驚いた。果たして向こうの読者には面白いんだろうか。その前に、こういう設定の本は規制されたりしないんだろうか。