選挙終わる

自民党の歴史的大勝で、アンチ自民系の夕刊紙なんかには「小泉独裁完成」「民主主義は終わった」などと書かれている。
確かに悲観的に言いたくもなるけれど、ちょっと逆に考えてみよう。

選挙が非常に「面白くなった」と思う。それは刺客だくの一だ劇場政治だという話ではなく、政権交代が十分ありえる仕組みになった、ということだ。
民主党は60近くも議席を減らしたわけだが、実は同じことが自民党にも言える。今度自衛隊派遣とか年金とか増税とか汚職とかでしくじれば、あっという間に議席拮抗という事態になりうる。実際、1万票民主党に流れれば余裕で逆転、という選挙区もたくさんある。
また、亀井さんなり綿貫さんなり堀内さんなり、今までまず選挙では無敵だった人でも、場合によってはここまで追いつめられるというのが分かった。これも「当選するのは一人だけ」という小選挙区ならばこそ。
こんなふうに、選挙の結果で政権が動きやすくなると、有権者の関心もおのずと上がる。「各党相乗りvs共産党」のような、結果が見え見えで限りなく無投票に近い選挙よりは、どっちに転ぶかわからんぞという選挙の方が面白くて関心が高まるのは当然。そうなれば政策やマニフェストというものにも目を留めやすくなるだろう。簡単に議席数が変動すると分かれば、逆に慎重に投票するということもありえる。
これを「民意を反映しやすくなった」ととるか、「大衆迎合衆愚政治の到来」ととるかは考え方次第。ただ、地域や団体のしがらみがなければ投票に行かない状況よりは、よっぽどマシだと思うが、いかがか。