「僕の彼女を紹介します」

というわけで昨日映画館でこちらを見てきた。結論から言えば、「駄作だと斬って捨てるほどひどいとは言えないが、やはり前作『猟奇的な彼女』に比べれば落ちる」というところ。
最大の問題は、「猟奇的」テイスト全開の前半部と、直球のラブストーリーになっている後半部とのつながりがなくなって浮いていること。前半部を中心にこまごまと繰り出される小ネタや、アクションシーンなど本筋じゃない部分でなぜか無駄に凝るところは前作のテイストそのままで私は好きだ。しかしその分、ベタベタのラブストーリーになっている後半との落差が激しすぎてどうにもちぐはぐだった。「純愛映画」という触れ込みだけで見てしまうと、なおさら小ネタが浮いてしまうし、逆に後半のラブストーリーがえらく薄っぺらく見えてしまう。『猟奇的な彼女』は、小ネタで笑わせておいてラブストーリーを後からブレンドする、というバランスが絶妙だったのだが……。
そして、展開が急になりすぎて不親切になっている上、エピソードのつながりがほとんど見えず、全部投げっぱなしでほとんど回収していない。同じく前作『猟奇的な彼女』の傑作たる所以は、小ネタをばらまいておいて最後にスコーンときれいに回収して「そう来たか!」とうならせるところにあった*1。ところが今回はそう言った回収の手続きがなく、単に話の筋がばらばらになってしまっている。
客席でけっこう鼻をすする音が聞こえた通り、けっこう涙腺をついてくるシーンもあるのだけど、『猟奇的な彼女』ファンとしてはがっかり。うーん。
……でも、内心は「チョン・ジヒョン綺麗だな*2……」というだけでもう十分だったりして。

*1:この辺こそここここで「本格スピリッツを感じる」と書いた所以だ。

*2:「猟奇的〜」の時は「かわいい」だったけど、今回は「綺麗」という形容詞を使いたい。