日経の「裏側」で

2年前の就活の時に日経を購読し始めた。とは言っても記事の中身を活動に役立てたという記憶はなく、むしろスポーツ面の分量の少なさに文句をたれながら*1、なんだかんだ言いつつまだ取っている。
ご存知の通り日経の紙面構成はちょっと独特で、普通の新聞ならラテ欄がくる最終面に「私の履歴書」とかの一般コラムが載っている。そして朝刊だとここに連載小説が載っている。場所柄目に留まりやすいので、時々つらつらと読んでしまう。
これまで連載が続いていたのが高村薫の『新リア王』。青森出身の大物保守党政治家が、だいたい1980年代の中央・地方政界の動きを回想する所から始まり、……回想がいつまでたっても終わらない。実名がじゃんじゃん飛び交う中央政界の動向とか、東北新幹線や六ケ所村から見えてくる地方の実状など、ルポルタージュもかくやとばかりの濃密な物語はさすがではあった。しかし、適当な所で回想が終わって現在の話に飛ぶかと思いきや、回想が延々と続く続く。
途中、イラストレーターの盗用問題があったり、連載最後の原稿をめぐってトラブルがあったりしつつ、どの辺が「リア王」とからんでくるのか分からないまま連載が終了した。素人目には、これを完結させるとしたら後4年は連載を続けないと終わらないような気がするのだが。

そしてその後を受けて始まったのが渡辺淳一の『愛の流刑地』。そういえばあの『失楽園』は日経連載で話題になったし、「日経で渡辺淳一が連載を始めると株価が上がる」というジンクスもあるとか。
で、例によってちらちらと読んでいると……官能小説やん!
この辺は、にっけいしんぶん新聞であらすじ兼ツッコミが紹介されているのでそちらを見ていただければ*2
ここまで正反対の小説が同一の紙面を飾るというのも面白い。

*1:去年が去年だったので、就活終了後はデイリースポーツによっぽど切り替えようかと思っていた。

*2:私も40話42話のあたりでは「おいこらこらっ!」と同じようなツッコミを入れてしまった。大学時代の「心の師匠」が、渡辺淳一作品を評して「あんなに男にとって都合がいい女が出てくるなんて笑ってしまう」と言っていたのを思い出す。