誰もお前を止められぬ、阪神よ突っ走れ!

たまたま知った魂 〜阪神ファン暦16年、魂のテキスト〜を読んだ。
おそらくこの作者は私と同い年である。以下に引用した部分を読むと、私の小学生時代を思い出す。ちょっと長文だが引用。

その後の数年は地獄の日々だった。相変わらず低迷が続く阪神は球界のお荷物、世間の笑いものとなり、いつしかクラスの大半が関西であるにもかかわらず巨人ファンに成り下がってしまったのだ。子供はにわかファンが多いため、浮動票のほぼ全てが巨人に取り込まれてしまっていた。そんな中で俺と親友N他数人が孤軍奮闘して阪神を盛り上げていた。しかし時には野球の言い争いになることもある。岡田を馬鹿にされたらカッとくる。だが、言い争いで阪神ファンが巨人ファンに勝てる要素は残念ながら何も無かった。対戦成績6勝20敗、斎藤、桑田、槙原にいいように翻弄され、原、クロマティ、吉村、篠塚にボコボコに打たれる完敗の試合がほとんど。

友人の心無い悪口や、からかいを俺たちがどれだけ真剣に受け止めていたか、どれだけ俺たちを傷つけたか、どれほどの悔しさと怒りを感じたかわかるだろうか。3年に1度は必ず優勝し、Bクラスなど経験したことの無いチームを応援している友人に、3年に2度は最下位、万年Bクラスのチームを応援している俺たちの気持ちがわかるだろうか。わかるはずが無い。言ってもわかるはずが無いのだ。実際に最下位のチームを必死で応援して、大好きなチームが負けつづけることの悔しさを経験するまでわかるはず無いのだ。巨人ファンは一生味わうことの無い感情なのだ。そんな俺ができることはただ一つ、手を出すことだけだった・・・

違いといえば、関東在住の私の場合、優勝の数年後にはクラスの中で阪神ファンは私一人だったことと、「『三振』タイガ〜スぅ〜」とバカにされても手を出さず、やり切れない気持ちを抱えていたことぐらいだろうか。

しかし、作者同様に私も確信していることがある。

だが、これだけは言える。この泥沼の時代を知るコアな阪神ファンは他のどの球団(セ・リーグ)のファンよりも勝つことの喜びを知っている。

そして、読みながら本気で涙が出そうになってくる。そう、何を言われようとも長年「ダメ虎」を応援し続けてきたファンの思いが、ここにある。

しかし、もういい加減違うことを教えてもらってもよいのではないか。何を隠そう俺もそろそろ限界である。85年を知っている親父世代や、ファン暦5〜10年のヒヨッコ阪神ファンはまだいい。こっちは16年だ。もういいだろう。小学4年生から26歳の今まで全くと言っていいほど日の目を見ていないのだ。これまでに負の遺産から学ぶことは全部吸収した。はっきり言ってこりごりである。ここらで優勝の感動を味わってもバチはあたらないはずだ。人間、痛みばかりでは生きていけないのである。だからもう一度いう。


もういいだろう?

さあ、期は熟した。迷うことはないだろう。


これから強くなっていくタイガースよ、最後まで、全力で突っ走れ!



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