【注意】今日のネタは虫嫌いの人、特に「黒い弾丸」と呼ばれるアレが嫌いな人は読まないでください。

あれは昨日の深夜。翌日までにやらなければいけないことがあったので、コーヒーでも飲んでから取り掛かるかと、お湯を沸かしてカップを取り出したとき。
左手の壁に、少々デカめの奴がへばりついているのを発見した。

実家が「自然が豊かな場所」にあり、庭の手入れを手伝わされたりもしたので、虫との接近遭遇経験は多い。ただ、虫に限らず生き物全般については、観察するのはけっこう好きなのだが触るのはやたら怖い、という感じである。
奴との接近遭遇自体もそれなりに経験している。しかし実家では、蚊や蟻や蜘蛛が部屋を歩いていることはあったものの、不思議なことに奴の姿は一度も見なかった。それゆえ奴に対する免疫は少ない。

私は完全にフリーズしてしまった。おそらく侵入経路はただ一つ。あまりに蒸し暑かった昨日、風通しを良くしようと少し開けていた玄関だ。いま住んでいるマンションは建てられてから年数が経つうえに一階に飲食店が入っているせいか、廊下などでよく奴の姿を見かける。ただ、部屋自体の気密性はしっかりしているので、部屋への侵入経路は玄関か窓にほぼ絞られる。窓は一応網戸を閉めていたから、玄関でしかあり得ない。
ここに引っ越してきてから奴と接近遭遇するのは二度目だ*1。一度目も、おそらく進入経路は掃除のために少し開けていた玄関。同じ失敗を繰り返すとは、無念。

などなどいろいろなことが頭をよぎったが、フリーズした状況は変わらず。そのうち奴は動き出し、コンポのラックの後ろに入り込む。まずい! あわてて装備を調えるべく行動を開始した。しかしとりあえずキンチョールを取り出したものの、古新聞を資源ごみ回収に出したばかりで直接攻撃用の武器が無い。薄っぺらくて心もとない今日の夕刊を手に取って奴の動きを探る。
奴はラックの後ろからさらに隣の本棚の後ろまでもぐりこんでいた。こちら側の壁は部屋の作りと棚の高さの関係で本棚の後ろに10センチぐらいのすき間が空いていて、横から裏の様子が見通せるようになっている。ラックの上のCDやらなんやらを下ろして視界を確保し、本棚の後ろに向かってキンチョールをまく。
白い殺虫剤の煙が本棚の裏から立ちのぼる。するといぶされるような格好で、奴が本棚の上に積んである本のそのまた上に顔を出した。本に殺虫剤がかかるのをものともせず、チャンスとばかりにキンチョールを吹きかける。奴はよろよろと天井を歩いていたが、そのうちポトっと床に落ちてきた。動かない。
ほっとした一方で、ここからどう対処すればいいのか分からなかった。床がじゅうたんなのでうかつにたたき潰すこともできない。とりあえずとどめを刺すかと手持ちの新聞紙で奴をたたいた。
しかし思い切りが足りなかったばかりに、とどめを刺すどころか再び奴が動き出し始めてしまった。やはり奴は死んでいなかった。悪いことに床にはさっきどかしたCDやら布団やらがごっちゃごちゃになっており、うかつに動けない上にキンチョールすらまけない状況。それ以上に私はすっかりパニックになり、床にある物の上に奴が乗ってしまわないようバタバタと新聞を振り回しているうちに、なんとダンボールと洋服ボックスのすき間に入り込んでしまった!
さあ困った。ひとまず深呼吸してから、奴が逃げ込んだ側の物をどけて、どこかに隠れていないかを捜索する。

  • 洋服ボックスの後ろ→いない。
  • ダンボールの後ろ→いない。
  • 右側にある勉強机&パソコンラックの下→いない。
  • 今度は左側にあるカラーボックスをどけてみる→いない。
  • そのまた左側にある本棚の最下段の微妙なすき間→本をどけてみるがいない。

逃げ込んだ側の壁の下はほぼ完全にチェックしたはずなのに、いない。これで完全に見失ってしまった。これだったらじゅうたんを汚してもたたき潰すべきだったと思っても後の祭り。しかし、天井から落ちてきたぐらいだから弱ってはいるはずで、よもや壁をもう一度はい登れるはずもなく、実はどこかでひっそりと死んでいるのかもしれない。いや、そう思っておこう。
とりあえず、逃げ込んだ壁側にもう一度念入りにキンチョールをまき、ひとまず休戦ということにした。

(明日に続く)

*1:ちなみにこの時は非常にいやな遭遇の仕方をした。ちょっとしたホラーになってしまうので書かないでおく