クソゲー神話ジャーヴァス

 昨日の日記の予告通り、「未来神話ジャーヴァス」がどんなソフトだったかを語ってみよう。

 一応のストーリーとしては、「長い宇宙飛行から帰還した宇宙飛行士は、地球が荒廃し、7人の暴君に支配されていることを知った。彼は7人の王を倒し、世界に平和をもたらすべく戦いに挑む」というもの。カテゴリーとしてはアクションRPGということになる。
 このゲーム、「ファミコン初」の栄誉こそ「森田将棋」に譲ったものの、RPG初のバッテリーバックアップ採用ソフトであった。復活の呪文をいちいち写さなくてもセーブができるというシステムは画期的ではあった、が。

  • 電源を入れてスタートボタンを押すと、いきなりフィールドの上に主人公がポツリ。ここがどこかも分からなければ、どっちに進めばいいのかも分からない。完全放置プレイでのスタート
  • Aボタンだかで武器を振り、フィールド上の敵を倒すことになるが、武器の大きさが半キャラ分ぐらいしかないので、敵にものすごく接近しなければならない。しかし敵は非常に細かい動きをするので、体当たりを食らってダメージを受けることは必至。弱いうちは一匹倒すのに3回はダメージを受けることは覚悟する必要がある。飛び道具の武器を手に入れるまでは辛い。
  • 道らしきものをたどっていくと町がある。町の人に話しかけるのは基本。しかし、「わるい おうさまを やっつけてよ」「おおきなみずうみのほとりに なにかがかくされている」という程度の低いヒントばかりで、なんの手がかりにもなりゃしない。そして町の人にも攻撃ができて殺すことができる。ペナルティはなし。
  • 金はバイトで稼ぐという超画期的システム。「しごとが ほしいのかい たからものをもってきたら おかねをやろう」とかなんとかオッサンが言ってきて、「つぼ」か「どくろばな」のどちらかを選ぶと「じゃあ まってるよ」。どこにあるかのヒントは一切無し。これをしばらく繰り返さないとどうにもならない。お金の大切さをしみじみと味わうことができるという趣向。なお、「どくろばな」は手形がないと行けないエリアにあって、手形を買うにはお金がいるので、いきなり「どくろばな」を選ぶとその時点でクリア不可能になる。むろん、そんなことは決して教えてくれない。
  • ギルドで闘って勝つと名声値が上がり、一定の名声値になると仲間を増やすことができる。その仲間はフィールド上で敵と一緒に歩いていて、一見まったく見分けがつかない。そして、敵も仲間もフィールド上のあるポイントを通過すると特定の場所から出現するという方式なので、仲間の出てくるポイントを通る→画面の反対から出てきた仲間に接触する(これまた敵同様動きがすばやくて大変)→コマンドで仲間にする→さっきのポイントに戻る(以下繰り返し)、という作業を延々やることになる。むなしい。ちなみに、この「仲間」というのは、一定数集めると各エリアのボスである城に入れるという、それだけのための設定らしい。むろん、「仲間を集めることができる」というのは説明書に書いてあるが、仲間を集めると何ができるのかということは一切書いていない
  • 宿屋がなく、体力回復のためには薬を買うしかない。そのためにはバイトして金を稼いで薬を買いだめしないといけない。薬が切れ、HPを消耗したときに真っ先にやらなきゃいけないのがバイトというありさま。
  • 町の船小屋で船に乗って他の場所に移動できるが、一度船小屋の建物に入ってしまうと町に戻ることができず、強制的に行き先に飛ばされる
  • 途中の町に「初心の家」と「惑いの家」というのがある。細かい説明は省くが、ここに入ると問答無用で別の場所にワープさせられる。手形を何枚も買ってえんえんと歩いてたどり着いた町でこれに入ったときは本気でブチ切れる。町の建物に入るときにはセーブ必須という恐ろしい状況。
  • 「おおきなみずうみのほとりになにかがかくされている」などの話を手がかりにそれらしき場所を「しらべる」で探す。しかし、ただでさえ捜索範囲がだだっ広いうえ、敵同様自分のキャラも非常に細かい動きをするため数ドット単位で「しらべる」を繰り返す必要があり、おまけに成功判定が厳しいために数ドット差で見つけられないという事態はザラ。もちろん、見つけたアイテムがなんの役に立つかは一切教えてくれない

 思い出すかぎりではこんなところか。最大の特徴はとにかく「不親切」。ヒントの集めようがないRPGがどんなに苦痛かあなた分かりますか。
 私の場合は、一つ目の城すら攻略できないまま数年間ほったらかしにしたのち、古本屋でたまたま攻略本を発見してやっとやるべきことの全貌をつかんだが、もはやクリアする気力もなく放置され、最後には処分してしまった。
 このゲームを攻略本の類いを一切見ずに自力でクリアした人は、冗談抜きで「神」である。